PMPとはプロジェクト・マネジメント・プロフェッショナル(Project Management Professional)の略で、米国PMI(Project Management Institute)が認定する国際資格です。
PMPに合格するためにはどれくらい勉強時間が必要なのか、どのように勉強を進めればよいのかなど、2022年2月に合格した経験から、これからPMPを受験する方々の後押しになる情報をお伝えできればと思います。
※なお、当記事は試験対策に関する記載のみとなります。受験資格を得るための事前学習などの記載はありません。
受験までにやったこと
事前知識
受験当時はプロジェクトマネジメントに関す資格は所持していませんでした。
ただし、会社の業務ではシステム構築のプロジェクトマネジメント(以下、PM)業務がメインのため、業務との親和性は高く、PM業務を約3年間経験した状態でPMPを受験しました。
勉強期間(時間)
勉強期間はおよそ3カ月半で約100時間勉強しました。
使用した参考書など
・PMP試験合格虎の巻 第6版対応版
・PMPパーフェクトマスター PMBOK第6版対応
・アジャイル実務ガイド
受験当時、PMBOK第7版がリリースされ、試験の改訂情報も発表されていました。
PMBOK第6版と第7版の差分の内、最も大きな差はアジャイルについてでした。
アジャイル関連を特別対策する必要があったため、「アジャイル実務ガイド」を用意しました。
勉強方法
参考書を活用し、PMP合格までに実践した大まかな勉強の流れは以下の通りです。
各段階での詳細は以降で記述していきます。
1. 参考書(虎の巻、パーフェクトマスター)の模擬試験の実践 (対策:60時間)
各参考書では模擬試験(本番相当)が収録されています。
参考書は1ページ目から順に進めていくこともできますが、学習を進めていく上ではアウトプットに比重を置く方が効率的な学習につながります。
アウトプットを優先するために、参考書を1ページ目から順に読み進めていくのではなく、最初から模擬試験に着手することをお勧めします。
勉強を始めたばかりの時期は、解答できない(答えに見当がつかない)問題が多いと思いますが、全く問題ありません。
繰り返し解くことと、必要に応じて解説を読んでいくことで、自然と解答できる問題は増えていきますので、解答できないことに課題を感じたとしても、信じて模擬試験の問題を解き続けましょう。
また、25問を1単位としている理由は集中して解き続けられる時間に依存しています。
模擬試験を何周もしている内に、問題を解くスピードも早くなってくると思いますので、25問では物足りなくなった際は、50問、100問と1単位で解く問題数を増やしていくことも必要です。
最終的には”200問を一気に解き切れる”、”正答率が95%を超えている”状態であれば、十分な対策ができている目安になると思います。
また、「具体的な模擬試験の進め方」の流れの中でリストアップした問題は、自身が間違えやすいものとして認識しておき、試験直前に見直せるように整理しておきましょう。
2. 参考書の解説読み込み(模擬試験以外の部分) (対策:30時間)
模擬試験による対策が完了したら、参考書の前半部分である各セクションの解説箇所の読み込みを行いましょう。
模擬試験だけでは補完できない知識領域はどうしても出てきてしまいます。
各セクションの解説を読み込んで、模擬試験で出てこなかった部分の知識を補完する必要があります。
解説部分についても「知識解説⇒演習問題」と、演習問題がセットになっているため、時間の許す限り演習問題も模擬試験同様、繰り返し解くことをお勧めします。
なお、模擬試験で出てきた部分(内容を理解できている部分)については、読み飛ばすことで効率的に進めることができます。
3. アジャイル実務ガイドの読み込み (対策:10時間)
最後にアジャイルに関する対策を行います。
アジャイル実務ガイドを読んで、ポイントを押さえます。
一度ですべてを覚えることは不可能なので、1周目は軽く目を通す程度にとどめて置き、全体でどのような内容が書かれているかを簡単に把握します。
2週目は1周目より少し注意深く読み、内容の理解を深めます。
私が特にポイントとして感じた部分は以下の内容です。
この3つは特に試験でも出題された内容になりますので、内容把握をしっかり行っておくことをお勧めします。
試験の所感
今回3カ月半、100時間という条件で受験しましたが、もう少し少なくても合格できる試験だと感じました。
ただし、4時間という試験時間の中で200問を解く必要があるため、体力・集中力が必要な試験でした。
問題への対策はもちろんですが、4時間の試験に耐えられるように事前に訓練しておくことも重要な要素だと感じましたので、これからPMPを受験される方はこの点に注意していただければと思います。
また、試験内容については、PMとはどのような立場でプロジェクトに関わる人物なのか、PMとしてふさわしい行動とは何なのか、が問われます。
たまに解答群の中に責任を逃れるような選択肢が含まれています。
(リスクが顕在化した際に、担当していたメンバへ責任を取らせるなど)
基本的にそういった選択肢は不正解だと認識しておいて良いと考えます。
試験では、まず上記のような選択肢を除外した上で解答を進めることで、効率的に試験を進めることができると思います。
まとめ
・100時間勉強すれば十分に合格可能
・模擬試験を繰り返し実施する。間違えた問題は解説も読み込んで、しっかり理解する
・PMは無責任なことは行わない
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